【歴史コラム】わずか960g。Helinoxがテントポール技術で”座る”を変えた話
【広告・PRを含みます】
今回プレミアム帯の代表として紹介しているHelinox チェアワンは、発売から現在まで多くのキャンパーに選ばれ続けている定番モデルです。実はこのチェア、もともとテント用ポールを作っていたメーカーが「畑違い」の家具作りに挑戦したことから生まれました。この記事では、Helinoxがキャンプチェアの世界に新しい基準を持ち込むまでの経緯を紹介します。
※本記事は複数の公開情報をもとに、ブランドの歴史的経緯を紹介するものです。

目次
- テントポールメーカーDACの歩み
- 砂漠のキャンプがきっかけになったチェア開発
- 業界に与えた影響
- よくある質問
- まとめ
1. テントポールメーカーDACの歩み
Helinoxの母体となっているのは、1988年に韓国でジェイク・ラー(ラ・ジェゴン)氏が創業したDAC(ダック)という会社です。当時のテントポール業界は限られたメーカーによる寡占状態でしたが、DACは「軽量でありながら柔軟性と強度を兼ね備えたアルミポール」を開発し、業界に変化をもたらしました。
DACの技術力は世界中のアウトドアブランドから信頼され、現在も数多くのテント製品にDAC製のポールが採用されています。この30年以上にわたるアルミ加工技術の蓄積が、後にHelinoxのチェア開発を支える土台になりました。
- 1988年の創業以来、軽量かつ高強度なアルミポールの開発で業界をリードしてきた
- 世界中のアウトドアブランドのテントにDAC製ポールが採用されている

2. 砂漠のキャンプがきっかけになったチェア開発
Helinoxブランドとチェアワンの開発は、2009年ごろに立ち上がりました。きっかけは、DACの創業者がデザイナーの友人とアメリカ・ユタ州のモアブ砂漠でキャンプをした経験にあります。当初、創業者は「わざわざ重いチェアを持っていく必要があるのか」と懐疑的でしたが、実際に地べたに座るのとはまったく違う快適さを体験し、軽量で快適なチェアの開発を決意したといわれています。
開発チームは、これまで培ってきたテント構造の知見を応用し、ショックコードでつながったポールを布で固定するという、当時としては革新的なフレーム構造を考案しました。この結果、わずか960g前後という、それまでの折りたたみ椅子の常識を覆す軽さを実現しています。
- キャンプでの原体験がきっかけとなり、軽量チェアの開発が始まった
- テント構造の知見を応用したフレームにより、960g前後という軽さを実現した
キャンプチェアプレミアム帯(Helinox等・1.5万円台〜)比較|軽さと質感の違い
3. 業界に与えた影響
発売当初、Helinoxのチェアは当時の折りたたみ椅子の相場の2倍近い価格設定でした。それでも開発チームは価格を下げることを選ばず、品質を優先する姿勢を貫いたといわれています。結果として、このチェアは100万脚以上を売り上げる大ヒットとなり、後を追う形で数多くの類似モデルが市場に登場することになりました。
「軽量チェア」という、それまで明確なジャンルとして確立されていなかった商品カテゴリーそのものを作り上げたともいえる存在で、今回紹介している他の軽量モデルの多くも、こうした流れの延長線上にあります。
- 価格を下げず品質を優先した結果、100万脚以上を売り上げるロングセラーになった
- 「軽量キャンプチェア」というカテゴリーそのものを切り拓いたブランドと位置づけられている
類似モデルが数多く登場したという事実そのものが、Helinoxの設計思想がいかに業界の基準として定着したかを物語っています。ポールとショックコード、布地を組み合わせるという基本構造は、現在でも多くの軽量チェアの土台になっており、後発ブランドの製品を比較するときにも「Helinox方式かどうか」が一つの判断軸として語られることがあります。


4. よくある質問
Helinoxはもともと家具メーカーだったのですか?
いいえ、母体のDACはもともとテント用アルミポールの専門メーカーでした。その技術を応用する形でチェアなどのポータブル家具の開発に参入しています。
チェアワン以外にはどんな製品がありますか?
チェア以外にも、コットやテーブル、バックパックなど、軽量アルミ技術を応用した製品ラインが展開されています。チェアワンで培った設計思想が、こうした周辺アイテムにも一貫して反映されています。
価格が高いのはなぜですか?
テントポール製造で培った軽量・高強度素材の加工技術がベースになっており、素材・製法にコストがかかっている点が価格に反映されています。詳しい商品比較は別記事でまとめています。
5. まとめ
Helinoxは、テントポール製造で培った技術を応用し、それまで「重くて当たり前」だったキャンプチェアに軽量化という新しい価値をもたらしたブランドです。砂漠でのキャンプ体験がきっかけとなって生まれたチェアワンは、価格を下げずに品質を優先する姿勢のもとで100万脚以上のヒットとなり、軽量チェアというジャンルそのものを切り拓きました。
この歴史から見えてくること
- 畑違いの技術(テントポール)を応用したことが、業界の常識を覆す製品につながった
- 価格を下げずに品質を優先する姿勢が、長く支持され続ける理由になっている
Helinoxの製品を選ぶときは、単なる「高級ブランド」としてではなく、こうした技術的な背景を知った上でじっくり比較すると、価格に対する納得感が変わってくるはずです。





